「やさしい日本語・外国人ヒアリング」

結果レポート


【第1回】

 ■開催日時:2020年7月21日(火)14:00~16:30

 

■ 開催場所:都内某所

 

■お招きした外国人(5名)

 ・中国人 ・タイ人 ・ベトナム人

  ・ネパール人 ・ブラジル人


■調査結果

 一般的な日本語 及び やさしい日本語での 単語の理解度調査

   ~お招きした外国人に、

    最初に一般的な日本語で書かれた単語を提示して理解度を測り、

    続いて「やさしい日本語」に書き換えた単語を提示して理解度を調査。

     同じ単語を一般的な日本語から「やさしい日本語」に変換することで、

      どれだけ理解度が進むのかを調べました。


一般的な日本語

【わかった外国人】……3人/5人中

 

 「『服』は分かるけど・・・?」

  

 漢字一文字ずつから意味を

 推測しようとして混乱してしまうよう。

 

       ⇒熟語となって初めて意味が成立する言葉の難しさ

 

やさしい日本語

【わかった外国人】……4人/5人中

 

「服用」という言葉の “限定された

目的語”(薬)を提示することで

理解することができました。


一般的な日本語

【わかった外国人】……1人/5人中

 

「も」(接頭語)という聞き慣れない言葉が入ることで、わかりにくくなりました。

 

⇒慣用的に使われている日本語表現が難解

やさしい日本語

【わかった外国人】……4人/5人中

 

「も」が「一番」という、聞き慣れた言葉に言い換えられたことで、理解することができたようです。


一般的な日本語

【わかった外国人】……2人/5人中

 

 「『ポイ』がなんのことか、

          想像もつかない」

 

 ⇒日本語における「オノマトペ」の

  多さと難解さが判明

やさしい日本語

【わかった外国人】……4人/5人中

 

オノマトペに頼らずに、言葉をていねいに

説明することで、理解できました。


【まとめ】

  日本語の特徴の1つである「多数の熟語(漢字)」、「接頭語・接尾語をはじめとした慣用的表現」、「オノマトペの多用」

などが、外国人にとっては難解であり、理解を妨げています。

 

 そのため『やさしい日本語』では、それらをなるべく使わない表現が望ましいと思われます。

 一般的な日本語 及び やさしい日本語での 会話の理解度調査 

   ~お招きした外国人に、日本で一般的にもよく使われる「外国人が間違えやすい」会話例を提示して、その理解度を調査。

    どういった点がわかりづらいのか、どう言い換えればわかりやすいのかを調べました。

シーン1

Aさん  「何 飲む?」

Bさん 「僕はコーヒー


 

左の会話「僕はコーヒー」が

どういう意味だと思うか説明してもらいました。

 

 

「主語や述語を省略する」という日本語文法の特徴を物語る、

いわゆる『ウナギ文』ですが、

 

「僕はコーヒー」は「私」=「コーヒー」という意味ではない

ということは、全員理解。

 

こうした省略は、どの国でも普通に行われているとのことで、

うなぎ文は意外と通じることが判明しました。

シーン2

Aさん  「今、お話をしてもいいですか」

Bさん 「すいません。今日はバタバタしています」


 

左の会話の「バタバタしている」はどんな意味だと思うか質問。

 

 

ほとんどの外国人が答えられず。

 

「音を表す言葉は他言語でも少しはあるが、

日本語は多すぎる」との感想が上がる。

 

他にも参加者より

空腹を表す「ペコペコ」が

理解できず苦労したエピソードもあがり、

やはり外国人にはハードルが高い様子がうかがえました。

シーン3

Aさん  「外国語を話すことができますか?」

Bさん 「英語を出来ないことはないです」


 

左の会話の「出来ないことない」はどういう意味か質問。

 

こちらは全員正解。

 

というのも、

日本語の二重否定は難しい、と感じるものの、

日本に住んでいれば、日本人がよく使うので慣れたとのこと。

 

そこで、我々が

「日本人が「英語をしゃべれないことはない」というのは、

  あんまり英語に自信がない場合が多いんですよ」

と説明すると、外国人たちはとても納得していました。

【まとめ】

  日本人でも混同しやすい日本語会話。前後の文脈から読み解くのはもちろんですが、
日本人特有の「ハッキリ言わない・まわりくどい」という文化に、困惑する外国人も多いようです。

 ピクト図案を用いた 外国人の理解度調査 

   ~お招きした外国人に、

    一般的な日本語で書かれた案内表示を提示して理解度を測り、

    続いて「ピクト」を加えた案内表示を提示して理解度を調査しました。

 


病院にて


 

「うつぶせ・あおむけになってください」と言われたらどうするか?という問題。

 

 

「うつぶせ」「あおむけ」という言葉は難解だが、

イラストがあれば分かると全員が回答。

 

⇒病院など、急遽外国人が訪れる可能性がある場所では、こうしたピクトによる案内板を

 準備しておくのもよいでしょう。

役所にて


 

「子ども手当がもらえますよ」っと言われたらどこに行くか?という問題。

 

中国人の方は、『子』という漢字を知っていればなんとなく分かると回答。

他の国の方からも、ピクトがあればわかりやすいとの意見が。

 

 

また、杖を持ったイラストで『老人』というのは伝わるとのこと。

⇒どの国の人にも伝わりやすいピクトをなるべく使用したいですね。

【まとめ】

 多文化共生の社会において、ひと目でわかる「ピクト」の重要性をかなり感じました。

 

 また、その後のディスカッションでは、ちょっと驚く話を聞くことができました。

いま外国人のほとんどが、日本の看板に対してGoogle翻訳アプリの「リアルタイム翻訳」機能を使っているんだそう。

日本語で書かれた看板にスマホをかざすと、画面には母語になって表示されるものです。

 さらに道案内の表示板などよりも、GoogleMapを活用しているそう。

 ▼在日外国人の実態・意識調査

   座談会形式で、生活面や仕事面において、彼ら外国人たちを取り囲む環境や

   困っていることをインタビュー。

 

   さらに、様々な日本文化への興味度合などを調べました。


 ●日本での 外国人の生活実態調査

【ゴミ出しについて】

  ・ブラジルをはじめとして、「ゴミ分別をする国はしているが、日本は特に細かいと感じる」との意見。

  ・タイでは、「粗大ゴミは捨てずに、他の必要な人に譲るのが一般的」とのこと。

    ⇒トラブルを避けるため、日本のゴミ分別や粗大ごみの捨て方のルールをちゃんと伝える必要が

     あると感じました。

 

【バス・電車について】

  ・バスは国によって、使い方はかなり違うようでした。

    ブラジルのバスは、どこまで乗っても料金は一律

    タイのバスは、(現地人にとっても)行き先が分かりづらい

    中国のバスは、カード払いが主流

    ⇒「バスの乗り方」などの案内も、やさしい日本語版の制作をする必要があるかもしれません。

 

 

  ・電車に対しては、「急行」「各停」など、種類が多すぎて分かりづらい、との意見が。

    ⇒電車の表示(車内モニターなど)にも活用できそうに感じました。


 ●日本での 外国人の仕事環境の実態調査

【職場環境について】

・「仕事が多くて大変」とは、あまり感じない。働けばその分給料をもらえるので不満は特にないとのこと。

・「通うことが大変」とも、あまり感じない。(中国も満員電車なので、あまり変わらない)

    ⇒日本特有と思っていたものが、案外そうでもなかったことが意外でした。

 

【業務上の伝達について】

・店長がする最初の説明は(一般的な日本語だったため)難しく感じたが、

                      周りの人が親切に教えてくれるので不便ではない。

 

・メール文などでの「敬語」が難しい。

    ⇒海外には(丁寧表現はありますが)敬語文化がないので、外国人は苦労するそう。


 ●外国人の 日本文化への意識調査

【歌舞伎について】

  ・特に観たいとは思わない。

    ⇒「外国人が好きそう!」と思いがちな伝統文化だが、日本人でも好みがわかれるように、

     興味もそこまでではなさそう(人にもよりますが)

 

【食べ物について】

  ・店を調べるのは、ガイドブックよりもネット(食べログなど)を活用

  ・作り方も同じようにネットでよく調べるそう。

   動画があれば分かりやすいが、それとは別にレシピもほしいとのこと。

    ⇒ダンクでは、『やさ日レシピ』と題して、日本の一般的な家庭料理の作り方動画を作成しました。

     (※上記はそれを観てもらっての感想です)

 

【食事マナーについて】

  ・仕事などでも失礼がないように、日本のマナーは知っておきたいとの意見が多数。

    ・中国やベトナムにも箸のマナーがあるが、日本とは異なるので知りたいとのこと。

    ⇒ダンクでは、日本の食事マナーを解説する動画を作成予定


【まとめ】

  外国人とディスカッションし、彼らの文化を知ることで、どこがわかりづらく、なぜ困りごとが発生するのかを理解できるように

なりました。それらをもとに、『やさしい日本語』の活用シーンを探り、提供できるよう励んでまいります。

【第1回まとめ】

 

 『ダンクのやさしい日本語プロジェクト』が発足して約2年。

いままで私たちが提供してきた「やさしい日本語」の方向性は、間違っていなかったと確信することができました。

その反面、やさしい日本語業界では一般的にダメだと言われてきた「ウナギ文」も外国人にも案外通じるなど、意外な発見をすることもできました。

 今回判明したニーズをもとに、 『ダンクのやさしい日本語プロジェクト』として新たなサービスを提案できればと思っています。

 


やさしい日本語に関して気になる事がございましたら、

下記バナーよりお気軽にお問い合わせください。