お客さま情報
認知症介護研究・研修仙台センターさま
認知症介護研究・研修センターは、2001年度に日本の認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として全国3 か所 (東京・大府・仙台)に設置されました。
その1つである仙台センターは、学術的な見地から認知症高齢者介護の質の向上を研究するセンター機能と、北海道・東北・四国中国地方の認知症介護研修の拠点となる研修センター機能の2つを担っています。
- WEBサイト:https://www.sendan.or.jp/dcrc
- 制作媒体:認知症介護基礎研修eラーニングのやさしい日本語テキスト
- 制作期間:約2カ月
お客さまの課題
2021年10月末の介護・福祉事業の外国人労働者数は、4万1,189人。前年2020年10月末の2万9,838人から1万1,351人も増加しました。※
※参照:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和3年10月末現在)』
厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和2年10月末現在)』
このように、外国人の介護従事者は近年増加傾向にあります。
しかし、医療関係の資格を所持していない外国人材の場合(「技能実習」や「特定技能1号」)、『認知症介護基礎研修』を受講することが(国籍問わず)義務付けられています。
こうした状況を踏まえ、認知症介護研究・研修センターさまでは、外国人が問題なく研修を受講できるように『認知症介護基礎研修 e-ラーニング』のトップ画面を5つの言語(英語・ベトナム語・インドネシア語・中国語・ビルマ語)に翻訳し、各言語の補助テキストを用意しました。同時に、eラーニング全体のやさしい日本語化も行うことになりました。
ダンクは、やさしい日本語の書き換えを担当。介護関連の難しい日本語の表現や語句を、やさしい日本語へ書き換える作業に向き合うことになりました。
やさしい日本語書き換えのポイント
今回の対象者は、技能実習生などの日本に来てまだ日が浅い外国人が多いため、次の3つのポイントを意識して書き換えました。
- ①原則としてN5・N4レベルの言葉だけを使う
- ②難しい言葉や固有名詞などは補助テキストで説明する
- ③言葉によっては英語を併記する
以下でそれぞれ詳しく説明します。
ポイント① 原則としてN5・N4レベルの言葉だけを使う
『日本語能力試験』は日本語を母語としない人の日本語能力を測定する試験で、最も難しい「N1」から最もやさしい「N5」まで、5段階にわたってその理解度を認定しています。
今回の対象者は、難しい日本語はあまり読むことができない方が多いため、原則N5・N4レベル※の日本語だけを使用することにしました。
※「主に教室内で学ぶ基本的な日本語が理解できる」程度の日本語能力
『リーディング チュウ太』※で、言葉のレベルを調べながら文章の作成を行い、N3以上の難易度の言葉は基本的に使わないようにしています。
※リーディング チュウ太:https://chuta.cegloc.tsukuba.ac.jp/
また、なるべく1文を短く分け、情報を細かく伝えるようにしました。
ポイント② 難しい言葉や固有名詞などは補助テキストで説明する
介護の研修という性質上、どうしても専門用語は使わざるを得ません。
しかし、無理に書き換えるとその言葉を覚えることができないなどの弊害が出てしまうため、今回はそのまま使って、補助テキストに説明を入れています。
ポイント③ 言葉によっては英語を併記する
言葉によっては、やさしい日本語で説明するよりも英語を併記した方が理解してもらえる場合もあります。
今回eラーニングだけではなく、システムの利用マニュアルもダンクで制作しましたが、そこでは主に『メール』や『パスワード』といったカタカナ語に英語を併記しました。
こうしてでき上がった『認知症介護基礎研修 e-ラーニングシステム』のやさしい日本語版は、すでに活用が始まっています。
→eラーニングのページはこちら(外部リンク:認知症介護基礎研修 e-ラーニングシステム)
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