外国人とのコミュニケーションが、日本にいても必要な時代に

国会での改正入管法の成立や、訪日外国人観光客の3,000万人突破に見られるように、日本における外国人の労働面・観光面での受け入れは、ますます拡大していくと予想されます。

このような状況のなか、私たちの慣れ親しんだ母語を使って外国人と日本人が、お互いを理解し合える「やさしい日本語」がコミュニケーションの改善策の一つとして注目され、今、必要とされています。

出典:日本政府観光局(JNTO)

出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」より

近年の訪日外国人を国別に見ると、英語ではカバーできない非英語圏のアジア系外国人が増えてきています。2017年度の統計では、訪日外国人の約8割がアジア圏の人々です。

出典:日本政府観光局(JNTO)

より多くの外国人に情報を伝える

日本で生活する外国人は、英語よりも日本語を望んでいる

日本で生活する外国人に、日常生活に困らない言語について聞いたアンケートがあります。
英語を選んだ人は36.2%、対して日本語を選んだ人は61.7%と、2009年の時点で、すでに英語よりも日本語での情報伝達を望む外国人のほうが多いという結果が出ました。
日本語でも、外国人とコミュニケーションをとることは十分可能です。

日常生活に困らない言語

日常生活に困らない言語 ※主なもの(複数回答可。回答数1662)
(国立国語研究所『「生活のための日本語」に関する調査研究』2009年)

英語表記だけよりも、より多くの外国人に伝わる

日本に在留する外国人の国籍・地域の数は、2018年末時点で195です(無国籍除く)。
(出典:出入国在留管理庁:平成30年末現在における在留外国人数について
割合としてはアジア圏からが約8割と圧倒的に多く、英語を十分に理解できない人が数多くいます。

やさしい日本語は、阪神・淡路大震災で多くの外国人が必要な情報を得られなかったことをきっかけに考案された言語です。
英語だけでは十分な情報が伝わらない今こそ、やさしい日本語が必要とされています。

もちろん英語の表記が不要というわけではありません。日本で暮らし始めて間もない英語圏の外国人や、観光客にとっては、簡単な英語の表記があれば大きな助けとなるでしょう。
しかし英語だけで、全ての外国人に対応することはできません。

やさしい日本語があることで、より多くの外国人に情報を伝えることができるのです。

災害時に必要な情報を素早く伝える

被害を受けた外国人の割合は、日本人の2倍前後

震災で多くの人が犠牲になりましたが、その中には外国人も多くいました。
彼らの多くは日本語の理解が十分ではなく、災害情報や避難情報のような重要な情報を正確に受け取ることができませんでした。そのため、被害を受けた人の割合が日本人より多かったのです。

(国際防災の10 年国民会議事務局(財) 都市防災研究所(1995)『阪神淡路大地震における在日外国人被災状況調査』より)

人口100人当り、死者数は日本人が0.15人、外国人は0.27人、負傷者数は日本人が0.89人、外国人が2.12人と、外国人は日本人と比較して2倍前後もの被害を受けました。また、被災後も避難場所がわからず、壊れた家に残り続けた人もいたそうです。

こうした経験から、災害時の重要な情報をより多くの人に素早く伝えるために、やさしい日本語という手段が考え出されたのです。

より現実的に、迅速に情報を伝える手段

もちろん外国人にはそれぞれの母語で伝えるのが理想的なのですが、国籍も言語も多様であり、英語や中国語などのメジャーな言語だけでは到底カバーできません。災害時には必要な情報も多く、それら全てを色々な言語に言い換えるのは現実的ではありません。

これに対し、外国人でも多くの人が理解できるレベルのやさしい日本語で必要最低限の情報が伝えられるなら、無理に言語を増やす必要がなくなるのです。

多言語対応のコストを削減

多言語の翻訳は慎重に!

外国人に情報を伝えるためには、英語だけでなく複数の言語を表記する多言語対応が必要となります。
表記する言語数が増えれば外国人に伝わりやすくなりますが、2言語・3言語と増えるごとに、当然コストや労力は増大します。

また、せっかくコストや労力をかけて6言語~8言語といった数の翻訳を表記しても、全ての外国人に喜ばれるとは限りません。
「(ネイティブ以外が翻訳すると)読むのがつらくなるほど精度が低いことがある」とあまり歓迎されないこともあるようです。
(東京都国際交流委員会『東京都在住外国人向け情報伝達に関するヒアリング調査』2018年)

「やさしい日本語」との組み合わせで効率的に

やさしい日本語は、日本語を学び始めて間もない外国人でも読めるように考案されました。

ダンクは、英語や中国語などいくつかの言語とやさしい日本語を組み合わせた、効率的な多言語対応を提案しています。

<対応する言語の一例>